丸亀で味わう、想いが息づく4つのお店

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料理の向こう側にあるストーリーと、丸亀だからこそ生まれる人と地域とのあたたかなつながり。それぞれのお店が抱く想いに会いにいきませんか。

丸亀・瀬戸内を味わう創作ビストロ WAIWAI(わいわい)

丸亀駅から近く、商店街の一角に、瀬戸内の食材を主役にした創作料理店「WIAWAI(わいわい)」があります。
お店を切り盛りしているのは、丸亀市出身のオーナーシェフ 岩井太暉さん。フランスや京都の星付きレストランで修業を重ねた後、丸亀市に戻り、2024年に WAIWAI をオープンしました。

オーナーシェフ 岩井太暉さん

さまざまな土地で料理と向き合ってきた岩井さんですが、自分のお店を構える場所として選んだのは生まれ育った丸亀市でした。

大きなまちではないですが、その分、人との距離が近いことが丸亀市の魅力。また、商店街でシャッターを下す店が増えていく中、「飲食店として地元を盛り上げたい」という思いも、丸亀市での開業を後押ししたそうです。

店名の「WAIWAI」には、いろいろな意味が込められています。わいわいとした雰囲気で楽しんでほしいという気持ち、人と人とが輪になる場所でありたいという願い、そして岩井さんの「いわい」の苗字もさりげなく重ねられています。

料理の軸にあるのは、丸亀や香川、瀬戸内の食材です。岩井さんは食材を探して農園や加工場を訪ね、生産者に話を聞きながら仕入れをしています。その様子は自身の YouTube チャンネル「たいちゃんのうまいもんありますか?」で紹介。動画で紹介した食材をお店の料理に出すと、「あのときの食材ですね」とお客さんが喜んでくれるのだとか。料理だけではなく、その背景まで楽しんでもらいたいという岩井さんの気持ちが伝わってきます。

看板メニューは「WAIWAI ポテサラ」。シンプルなポテサラに、もろみをのせたものです。
フランス修行時代に、安くて手に入りやすかったじゃがいもを蒸して、実家から届いたもろみをのせて食べた思い出の味。

もう一つの人気メニューが「WAIWAI スパイスからあげ」。16種類のスパイスをブレンドして、肉の漬け込みと仕上げにトッピングした唐揚げで、ボリュームがあり男性にもおすすめの一品です。

さらに、岩井さんは店の外へと活動を広げ、2024年から「まるがめピンチョス祭り チャコリの日」に参加しています。これは、丸亀市の姉妹都市であるサンセバスティアン市(スペイン)のバル文化にちなんだイベント。ピンチョスは食材をピンでさしたり、小さく切ったパンにのせたりした片手でつまめるスペイン料理の一種で、チャコリはサンセバスティアン市があるバスク地方のワインのことです。

イベントには地元飲食店のほか、東京や大阪、北海道からも有名シェフが集まりました。
岩井さんは、丸亀市のご当地グルメ 骨付鳥をアレンジしたピンチョスやいちごと豚のパテを合わせたピンチョスを提供。一口サイズだからこそ食感や水分量をより意識して仕上げたのだとか。

また、丸亀市で開催された、サンセバスティアン市の有名店 ガンダリアスのシェフによる料理教室にも参加。食材の使い方の違いや料理方法に興味を持った岩井さんは、新婚旅行でサンセバスティアン市へ。料理人として大いに刺激を受け、WAIWAI でもピンチョスメニューを定番化していきたいと意欲を見せています。

WAIWAI には、20代~50代の女性を中心に丸亀や高松の方、そして観光客の方が日々訪れています。「おいしい」と言ってもらえることはもちろん、「この野菜はどこのですか?」と食材に興味を持ってくれこともうれしいと岩井さん。

瀬戸内の恵みを一皿にのせ、丸亀のまちに新しい賑わいを生み出す WAIWAI。今日もお店には、お客さんの和やかな笑顔があふれています。

住所香川県丸亀市葭町 27
TEL070-8906-1626
公式サイト・SNShttps://www.instagram.com/waiwai.____/
https://www.instagram.com/taiki.cooking/
YouTube チャンネルたいちゃんのうまいもんありますか?
https://www.youtube.com/@taichan_umaimon

キトクラスカフェ

丸亀市郊外の森の入口のような場所に「キトクラスカフェ」はあります。

運営するのは、80年にわたり地域の木材産業を支えてきた山一木材。集成材や合板など木材の工業製品化が進み、無垢の木の需要が減る中、「自然の木の良さを体験してもらいたい」と 3代目 熊谷有記さんが 2010年にカフェを開きました。

材木屋といえばひと昔前は裕福な商いという印象もあり、当初は周囲から趣味の延長のように見られることもあったそうですが、熊谷さんには「無垢材の良さを知ってもらわないと、うちには将来はない、これが最後の賭け」ぐらいの覚悟があったと言います。

山一木材株式会社 3代目 熊谷有記さん

カフェの建物は、柱、壁、天井、床はもちろんのこと、テーブルや椅子、そして料理を出す器まで、木で作れるものはすべて木で作られていて、「これも木でできるんだ」とお客さんに驚かれることも多いのだとか。

窓の外には目線の高さに木々の緑が広がり、敷地には木製の滑り台のある遊び場や森の小道があって、四季折々の風景や小鳥のさえずりが楽しめることも魅力です。

普段は草刈り帰りのおじいちゃんや琴の練習帰りのご婦人たちなど、地元の方々が集まります。週末になると、3世代で訪れて子どもは外で遊び、おじいちゃんとおばあちゃんはカフェでくつろぐといった姿も。

「小さい子どもさんは、ここを『山の公園』と呼んでいるのをよく耳にします」と熊谷さん。丸亀の子育て世代にも、自然とふれ合う場として親しまれているようです。

料理には、自家栽培の野菜や地元農家のお米や野菜など、地域の食材を積極的に取り入れています。農家さんが持ってきてくれた野菜やフルーツがミニ産直市として店頭に並ぶこともあるそう。長年築いてきた地域とのつながりがメニューにもさりげなく表れています。

材木屋の歴史と自然とが重なり合う「森のそばの居場所」として、これからも地域の人々に親しまれていくことでしょう。

さくさくスコーンと木の実と果物の自家製カッサータ
住所香川県丸亀市綾歌町栗熊東 3600-5
TEL0877-86-2007
公式サイト・SNShttps://www.instagram.com/kitokuras_cafe/

グッドネイバーズコーヒー 丸亀店

「グッドネイバーズコーヒー 丸亀店」は、コーヒーを楽しむ場であると同時に、人と人とがゆるやかにつながる地域の拠点です。

代表の小林功治さんが大切にしているのは、「コーヒーではなく、空間を提供すること」。
朝の常連のご年配夫婦、一人で静かにコーヒーを味わう男性、ランチを楽しむ主婦や若者など、店内は誰もが自然体で過ごせる雰囲気。その雰囲気は、お客さんと丁寧に言葉を交わすスタッフ一人一人のさりげない心配りから生まれています。

合同会社グッドネイバーズコーヒー 代表取締役 小林功治さん

「常連さんに、コーヒーを飲みに来てるんじゃないで。あんたの顔を見に来ているんやと言われたことがあって、それが1番うれしかったですね」と小林さん。そんなやりとりが、この店を「また来たくなる場所」にしているのでしょう。

お店の特徴的な取り組みが、フードリボンプロジェクトです。お客さんが一つ300円のリボンを購入すると、子どもに1食を届けられる仕組みで、「今日困っている子どもに、今日届けたい」という小林さんの思いが形になりました。日々の営業の中で無理なく支援の循環が続いています。

しかし、小林さんは「今日の1食だけで終わってはいけない、根本的な解決のためには、地域の人と人とが再びつながることが必要」と想いを強くしています。コーヒー豆のかすを活用した畑で収穫体験を企画したり、商店街のお祭りで太鼓台の組み立てを手伝ったりと、地域のつながりを取り戻す活動も進めています。

「これからの目標は脱喫茶店」と意気込む小林さん。丸亀の人々にそっと寄り添う「素敵なお隣さん」の姿がうかがえました。

ロースカツサンドイッチセット
住所香川県丸亀市土器町東 9-194
TEL0877-85-7313
公式サイト・SNShttps://gnc2013.com/
https://www.instagram.com/goodneighborscoffee/

ぶつぎりたんちゃん 丸亀店

2019 年にオープンした「ぶつぎりたんちゃん 丸亀店」。

高松の本店で修業を積んだオーナーが、地元を盛り上げたいと丸亀市に出店しました。丸亀城や丸亀うちわなど観光資源が豊富で、岡山からのアクセスもよく、観光客も多いことがここを選んだ理由だと、店長の木村心さんが教えてくれました。

ぶつぎりたんちゃん 丸亀店 店長の木村心さん

平日のランチには近隣の会社員やママ友たち、夜になると仕事帰りの常連さんが立ち寄ります。週末には家族連れが訪れ、子どもからご年配の方まで幅広い世代がテーブルを囲む光景が見られます。お盆や年末年始、ゴールデンウィークといった休暇には観光客も多く訪れるとのこと。

お店の看板メニューは、手切りにこだわった「ぶつぎり牛たん焼き」。肉質を見極めて厚みを微調整し、どの部位でもおいしく味わえるように切る技は、牛たん専門店ならでは。
それを強火で一気に焼き上げて、うま味を閉じ込めます。「厨房に立ち上る炎に、子どもたちも盛り上がるんですよ」と木村さんに笑顔がこぼれます。

大切にしているのは「笑顔の和」。その心が常連さんから次のお客さんへとつながることも少なくありません。スタッフが常連さんの名前を覚えていて「あのお客さん、前にも来てくれましたね」と教えてくれることもあれば、常連さんがスタッフの名前を覚えていて声をかけてくれることもあるのだそう。そういうコミュニケーションが生まれることも丸亀のよいところだと木村さんは感じています。

丸亀のビール醸造所 ミロクブルワリーからビールを仕入れるなど、今も地元のお店と連携しつつも、「もっと交流の輪を広げて地産地消の食材を増やしていきたい」と計画しているのだとか。

「ここでごはんを食べて、元気になってもらいたい」そんな思いを胸に、木村さんは今日も笑顔でお客さんを迎えています。

ぶつぎり牛たん焼き
住所香川県丸亀市西本町 1 丁目 2-33 ポートビル 1F
TEL0877-35-7695
公式サイト・SNShttps://www.instagram.com/butsugiritanchan_marugame/