まるがめ体験ツアー運営者の想い

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2025年10月に、丸亀関係人口創出プロジェクト「まるがめ体験ツアー」が開催されました。
https://sanukibase.studio.site/marugametour

関係人口とは、特定の地域と多種多様な形で、継続的に関わる人のこと。関係人口が増えると、地域に「人手」と「新しいアイデア」が加わり、地域課題解決への大きな力になると期待されています。

このツアーを企画・運営したのは「日常に、香川を。」をスローガンに、香川県の関係人口を増やす取り組みを行っている合同会社 KOKYO。共同代表の一人である花崎和真さんに、このツアーを企画した背景や、「故郷」をキーワードに活動する理由について伺いました。

合同会社KOKYO 共同代表 花崎和真さん

そもそも花崎さんが、合同会社 KOKYO を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。

花崎さん:僕は高松市の出身で、大学進学と同時に関西に出ました。それまでずっと「香川県って何もないな」「つまらないな」と思っていて、早く県外に出たかったんです。

転機になったのは、高校生の頃からの夢を叶えるべく、大学4年生の時に休学をして出かけた世界一周の旅。海外をまわるなかで、ふるさとがない人や、さまざまな事情でふるさとに戻れない人がいることを知り、その時に初めて「ふるさとって素晴らしいな」「香川県って住みやすいし、独自の文化もあるし、とても誇らしい場所じゃないか」と思うようになりました。
それで漠然と、香川県に対して何かしたいと考えるようになったんです。

その想いを抱いたまま、社会人になった花崎さん。社会人2年目の頃にコロナ禍になり、時間ができたタイミングで「香川県のために、何か始めよう」と高校時代の同級生2人に声をかけます。
同じく故郷である香川県に深い愛情を抱いていたふたりも、この提案を快諾。そうして香川県の関係人口創出を目的に、2022年から任意団体 SANUKI BASE として活動を開始しました。
2025年1月には法人化し、合同会社 KOKYO が誕生します。

合同会社 KOKYO が手掛けるのは、コミュニティ事業、ギフトボックス事業、行政向けの関係人口創出事業の3つ。
いずれも香川県在住の人はもちろん、香川県に住んでいなくても「香川が好き」という気持ちをもっている人に向けられた事業で、関係人口創出を目的としています。

コミュニティ事業では、さまざまな「香川好き」が、香川県への想いを語り合うリアル交流会「サヌキメシ」を東京都と香川県で開催。これまで350名以上の「香川好き」が参加しました。ギフトボックス事業では、香川県の特産品を詰め込んだギフトボックスの商品企画・販売を行っています。「まるがめ体験ツアー」は、行政向けの関係人口創出事業の一環として行いました。

花崎さん:丸亀市が令和7年度丸亀市提案型協働事業を募集していて、そのなかのテーマのひとつが「関係人口」だったんです。我々は「日常に、香川を。」というブランドメッセージを掲げているので、特定の市町に限定せず、香川県全域に何かしら貢献したいという気持ちがずっとありました。それで、自ら手を挙げたのが、はじまりです。

しかし花崎さんは高松市出身ということもあり、それまで丸亀市との接点がほぼなかったのだそう。どうやってツアーを企画したのでしょうか。

花崎さん:「サヌキメシ」の参加者のなかには、丸亀市出身の方もたくさんいるので、おすすめのお店をヒアリングしました。自力でコネクションを作るのが難しいところについては、丸亀市役所の方に間に入っていただき、市役所の方や地元の方からの「もっとこうしたほうが、いいんじゃない?」というご意見を反映させながら、ツアーを組み立てていきました。

参加者とのコミュニケーションを密にするため、ツアーは定員10名の少人数制。
丸亀城に登ったり、丸亀うちわ作り体験をしたり、本島や商店街を散策したりと、丸亀市を知るのに欠かせないアクティビティを網羅した内容になりました。
移住を検討している参加者もいることから、他県から丸亀市に移住し、ビール工場「久福ブルーイング本島」を営むご夫婦との交流会も開催。

ツアー後、参加者にアンケートを取ると「丸亀市に対する解像度が上がった」「丸亀市への移住意欲が高まった」「また丸亀市に来たくなった」など、好意的な感想が集まったそう。なかには、ツアーの翌週に家族で丸亀市を再訪し、本島まで遊びに行った方もいたのだとか!

花崎さん:ローカルプレーヤーと直接交流できる機会がたくさんあったので、観光のように一度きりではない、人と人とのつながりをしっかりと結んでいただけたのではないかと思います。我々も、丸亀市に対するポジティブな印象や思い出を作れたという手応えがありました。

これをきっかけに、丸亀市のことを「第二のふるさと」だと思い、その魅力をご家族と共有したり、ご友人と一緒に丸亀市を訪問したりして、継続的に丸亀市を盛り上げていただけたらうれしいです。

ちなみに参加者は全員、関東・関西から来られた方。しかも3割ほどが真剣に移住を検討されており、花崎さんもその多さに驚いたそうです。
ツアーを経て、花崎さん自身の丸亀市に対する印象は変わったのでしょうか。

花崎さん:ツアーの視察も兼ねて、丸亀市には何度も来ていましたが、参加者の皆さんといっしょに丸亀市をまわって改めて「また来たい」と思える魅力が詰まったまちだと感じました。

魅力のひとつは、人。新しいお店をはじめたり、枠にハマらないチャレンジをしたりしている若い人が多い。これからもっと、おもしろくなりそうですよね。
そして住みやすさ。高松市に比べてコンパクトでありながら、生活に必要なものは何でも揃っている。移住を検討されている方が、丸亀市に興味をもつのも納得でした。

また今回、学芸員の方に MIMOCA(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)を案内してもらったんですけど、この体験が本当に素晴らしくて。この場所に美術館を構えた理由や、猪熊さんが美術館に込めた想いなどを初めて知り、感動しました。MIMOCA は、丸亀市の財産だと思います。すでに有名な場所ですけど、その魅力をさらに多くの人に知ってもらうことができれば、丸亀市の関係人口創出につながると思います。今後、僕たちの活動にも MIMOCA を絡めていければいいなと思っています。

一方で残念に感じたのは、骨付鳥以外の食の存在があまり知られていないこと。本島周辺をはじめ、丸亀市ではおいしい魚がたくさん獲れるのに、アピールしきれていないところがもったいないと話してくれました。

「まるがめ体験ツアー」を通して、丸亀市の関係人口創出に一役買った合同会社 KOKYO。
今後の展望は?

花崎さん:合同会社 KOKYO の共同代表である3名は現在、東京、愛知、兵庫とバラバラの場所に住んでいますが、数年以内に全員が瀬戸内エリアに引っ越しをする計画をしています。そのタイミングで、さらに事業を拡大したいと考えています。

もともと僕たちは、高松市内を歩きながら市の魅力を発見するプログラム「サヌキアルキ」を開催していて、とても好評なんです。一般的なツアーでもない、旅行や帰省でもない、新しい旅のカタチを提唱しています。これを丸亀市をはじめ、香川県内各地で開催したい。
「まるがめ体験ツアー」で本島に魅力を感じたので、本島開催を計画しているところです。
移住を考えていなくても、丸亀市に、そして本島に興味がある方にはどんどん参加してほしいですね。
そのほか、丸亀市の特産品を入れた「ギフトボックス」も、販路拡大を計画中。

これからもさまざまな切り口で、丸亀市に住んでいる人には「丸亀ってええまちなんやな」と誇りに感じてもらえる機会を、丸亀市に住んではいないけれど興味をもっている人には「丸亀ってええところやな。行ってみたいな」と思ってもらえる機会を作りたい。
そして日本中に、世界中に「日常に、香川を。」を浸透させていきたいです。